・肩痛について
肩痛は、中高年に多く見られる「肩関節周囲炎(いわゆる四十肩・五十肩)」や、肩を動かす筋肉や腱の損傷(腱板損傷)、石灰の沈着による炎症(石灰沈着性腱板炎)などが代表的な原因です。その他、姿勢不良、スポーツや労働による使いすぎ、関節の変性や内臓疾患による関連痛が原因となることもあります。
痛みは動作時や夜間に強くなることが多く、放置すると関節の動きが制限され、日常生活に支障をきたすことがあります。
治療は、安静、薬物療法、リハビリテーションなどの保存的治療が中心ですが、損傷が大きい場合は手術が必要になることもあります。 早期の診断と適切な対応により、症状の悪化や慢性化を防ぐことが可能です。
・肩痛の主な原因
1.肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)
中年以降に多く見られ、加齢や使いすぎによって肩関節の周囲に炎症が起こる状態です。正式には「肩関節周囲炎」と呼ばれ、肩の動きが悪くなり、腕が上がらない・後ろに回らないといった運動制限が出ます。夜間痛が特徴的です。
2.腱板損傷(回旋筋腱板損傷)
肩を支える筋肉(腱板)が断裂したり炎症を起こすことで痛みが生じます。加齢による変性やスポーツ、重い物を持ち上げたときなどが原因で、肩の力が入りにくくなる、腕を上げられないといった症状が現れます。
3.インピンジメント症候群
肩を動かしたときに、腱板や滑液包が骨に挟まって炎症を起こすことで痛みが出る状態です。繰り返し肩を使う動作が多い人に多く見られます。
4.石灰沈着性腱板炎
肩の腱にカルシウム(石灰)が沈着し、炎症や強い痛みを引き起こす病気です。突然激しい痛みが現れることもあります。
5.関節リウマチ・変形性関節症
関節に炎症が起こる自己免疫疾患や、加齢に伴って関節がすり減る変形性関節症も、肩の痛みの原因となります。
6.姿勢不良や筋力低下
長時間のデスクワークやスマートフォンの使用などによって猫背や巻き肩になると、肩周囲の筋肉や関節に負担がかかり、慢性的な肩こりや痛みにつながります。
7.内臓疾患や心因性
まれに、心臓・胆のう・肺などの内臓の病気が肩の痛みとして現れる「関連痛」の場合もあります。また、ストレスや自律神経の乱れが原因となることもあります。