●靱帯損傷(足関節)とは
足関節靭帯損傷とは、足首のまわりにある靭帯(じんたい)が、強い力で引き伸ばされたり切れたりしてしまうケガのことです。日常生活やスポーツ中に足首をひねったり、踏み外したりすることで起こります。いわゆる「足首のねんざ」の中でも、靭帯に損傷があるものを指します。
●靱帯損傷(足関節)の原因
足関節靭帯損傷は、次のような場面で起こることが多いです。
・段差や階段で足を踏み外してしまったとき
・スポーツ中のジャンプや急な方向転換(特にバスケットボール、サッカー、バレーボールなど)
・ヒールの高い靴や不安定な靴を履いているとき
・足首の筋力が弱い、または過去に捻挫の経験があり再発しやすくなっている場合
●靱帯損傷(足関節)の症状
靭帯の損傷の程度によって症状は異なりますが、以下のような症状が見られます。
・足首の外側(特に外くるぶしの周り)の痛み
・腫れや内出血(あおあざ)
・足を着いたときの痛み、歩行の困難
・関節がグラグラする感じ(不安定感)
・重症になると、関節が明らかにぐらついたり、靭帯が完全に切れてしまうこともあります
●靱帯損傷(足関節)の診断と治療
当院では、問診・視診・触診に加え、必要に応じてストレスX線検査やMRI検査・超音波検査などを行い、靭帯損傷の有無や程度を評価します。
軽度~中等度(1度~2度損傷)の場合
・安静にし、患部を冷やす(RICE処置)
・圧迫・固定(テーピングやサポーター)
・腫れや痛みが落ち着いた後に、リハビリ(関節の動きを回復させる体操や筋トレ)
・回復にはおおよそ1〜3週間程度
重度(3度損傷・靭帯の断裂)の場合
・ギプスや装具による固定
・症状が重い場合や繰り返す場合は、手術が検討されることもあります
・回復には数ヶ月かかることもあり、継続的なリハビリが重要です
放置は禁物です
「少し痛いけど歩けるから大丈夫」と放っておくと、靭帯が正しく治らず、足首の不安定さが残ってしまうことがあります。その結果、慢性的な捻挫癖(ねんざぐせ)がついたり、将来的に関節に負担がかかるリスクもあります。