糖尿病性壊疽(えそ)

糖尿病性壊疽とは

糖尿病性壊疽とは、糖尿病によって血管や神経が障害され、足にできた傷が治らず感染が進行して組織が壊死してしまう状態です。

糖尿病では、
・神経障害により足の感覚が鈍くなる
・血流障害により傷の治りが悪くなる
・免疫力の低下で感染しやすくなる

<足を守るために、早期発見と適切なケアがとても大切です>

糖尿病は、血糖値が高い状態が続くことで全身の血管や神経に負担をかける病気です。その影響は目や腎臓だけでなく、足にも大きく現れます。特に注意が必要なのが「糖尿病性壊疽(とうにょうびょうせいえそ)」です。

壊疽とは、血流が悪くなったり感染が進んだりすることで、皮膚や組織が死んでしまう状態を指します。進行すると黒く変色し、重症の場合は切断が必要になることもあります。糖尿病性壊疽は、早期に気づき、適切な治療を行うことで重症化を防ぐことができます。


糖尿病性壊疽の原因

糖尿病性壊疽は、複数の要因が重なって発生します。

● 末しょう神経障害
神経が傷つくと、痛みや温度の感覚が鈍くなります。
そのため、靴ずれや小さなケガに気づかず、傷が悪化しやすくなります。

● 血流障害(閉塞性動脈硬化症など)
糖尿病は血管を硬くし、血流を悪くします。
血流が不足すると、傷の治りが極端に遅くなり、感染が広がりやすくなります。

● 感染
細菌が傷口から入り込むと、炎症が広がり、組織が壊死しやすくなります。
糖尿病では免疫力が低下しているため、感染が重症化しやすい傾向があります。

● 足の変形や靴の問題
足の形が変わったり、合わない靴を履いたりすると、特定の場所に圧力がかかり、傷ができやすくなります。

● 乾燥や皮膚の弱さ
皮膚が乾燥するとひび割れが起こりやすく、そこから細菌が侵入することがあります。

*糖尿病性壊疽は「血糖値が高いだけ」で起こるわけではなく、神経・血管・皮膚の状態が複雑に関係して発生します。


糖尿病性壊疽の症状

壊疽は段階的に進行します。早期に気づくことが重症化を防ぐ鍵です。

● 初期のサイン
・足の赤み・皮膚の色が変わる
・小さな傷が治らない
・足が冷たい、しびれる
・タコや靴ずれが悪化する
この段階で受診すれば、治療が比較的スムーズに進みます。

● 進行した状態
・傷が深くなる
・膿が出る
・強い痛み、または逆に痛みを感じない
・足の一部が黒く変色する(壊死)
・悪臭がする

*糖尿病性壊疽は「血糖値が高いだけ」で起こるわけではなく、神経・血管・皮膚の状態が複雑に関係して発生します。

 

糖尿病性壊疽の治療法

壊疽の治療は、傷そのものの治療だけでなく、原因となる血流障害や感染への対応が重要です。

● 血糖コントロール
血糖値を安定させることで、傷の治りを助け、感染を防ぎます。
食事・運動・薬物療法を組み合わせて行います。

● 傷の処置
傷の状態に応じて、
・洗浄
・消毒
・被覆材(ドレッシング材)
・軟膏  などを使用します。
壊死した組織がある場合は、取り除く処置(デブリードマン)が必要です。

● 感染の治療
細菌感染がある場合は、抗菌薬を使用します。
感染が広がると全身に影響が出るため、早期の治療が重要です。

● 血流改善
血管が詰まっている場合は、
・血管を広げる薬
・カテーテル治療
・バイパス手術
などで血流を改善することがあります。

● 圧力を減らすケア
傷のある部分に体重がかからないよう、
・専用の靴
・インソール
・クッション
などを使用します。

● 重症の場合
壊疽が広範囲に及ぶと、感染が命に関わることがあります。その場合は、足の一部を切除する手術が必要になることもあります。

*糖尿病性壊疽は、早期に気づけば治療が可能で、重症化を防ぐことができます。
「足の色が変わった」「傷が治らない」「しびれが強くなった」など、少しでも気になる症状があれば、すぐに大門病院にご相談ください。患者様の足を守り、安心して生活を続けられるよう、私たちは丁寧な診療と継続的なサポートを大切にしています。

 

その他疾患

*上記疾患は日常よく見られる疾患です。他の疾患が原因となっている場合もございますので、一度ご来院いただき、詳しく問診・検査を受けられることをおすすめいたします。